令和の大修理

天皇陛下御即位を奉祝し、御社殿御屋根葺き替え工事を
主体に次の事業を実施致します。

令和の大修理

三嶋大社は、天皇守護の八神に数えられる「事代主神」をお祀りすることから、皇室との御縁も殊に深く、且つ、国土開発経営の神・富士火山帯根源の神としてお祀りする「大山祇命」は殖産振興の御神徳も高く、 古来日本総鎮守と称され、東海一の由緒ある『国利民福』のお社として広く信仰されております。当大社の御社殿は、中古以来、およそ八百年余の間に御造営が17度、御修復が7度と記録を見るだけでも都合24度の大事業が重ねられてまいりました。現在の御社殿は、慶應2年(1866年)の竣功で、大正後期と昭和初期の2度に亘る御修復を経て、平成12年(2000年)には重要文化財の指定を受けましたが、多年風雨に晒されたお屋根の傷みが著しく、銅板の葺き替え時期を迎えております。この際、耐震調査を併せて行い、防災機能の強化等を含めた葺き替え工事を行わせて頂きたく存じます。また、劣化が激しい境内周囲の玉垣改修を主とした社叢の景観整備事業や、当大社旧蔵の至宝「三鱗紋兵庫鎖太刀(伝 北條時政奉納)」及び「沃懸地群鳥文兵庫鎖太刀(伝 関東菅領上杉氏奉納)」〔いずれも東京国立博物館所蔵〕を復元調製し、令和の御神宝として大前に奉献するなどの事業を計画致しております。令和の大御代を迎え、聖寿の万歳と皇室の弥栄を祈念し、先人たちの尊い信仰と歴史を受け継ぎ、後世に守り伝えてゆくために、神社百年の大計に立つ重要な記念事業であります。本事業の歴史的意義を御賢察頂き、広く氏子崇敬者の皆様の御奉賛を賜りたく、ここにお願い申し上げます。

三嶋大社 宮司 矢田部盛男

御社殿の改修事業

慶應2年(1866年)の竣功で、大正後期と昭和初期の2度に亘り修復された本殿・幣殿・拝殿等の御社殿屋根の銅板は老朽化が著しく、緊急性を要する修繕箇所が多数生じています。今般の記念事業では、銅板屋根の葺き替え工事を始め、錺り金具の修繕、消防設備の更新、また、現状調査を踏まえた耐震補強工事等を行い、貴重な建物の維持保存を図ります。令和10年の新春には修復が終わり、本殿還座祭が斎行されます。
修復された舞殿とこれから修復される本殿・幣殿・拝殿

御神宝の奉製事業

当大社旧所蔵の至宝(現 東京国立博物館所蔵)で、北條時政が奉納したと伝えられる「三鱗紋兵庫鎖太刀(鎌倉時代作)」、関東菅領上杉氏が奉納したと伝えられる「沃懸地群鳥文兵庫鎖太刀(鎌倉時代作)」 2口を復元奉製のうえ、令和の大御代に相応しい御神宝として大前に奉献し、愈々の御神域の発揚と御社頭の隆昌に努めてまいります。

境内整備事業

昭和4年(1967年)に設置された境内周囲の玉垣は、経年劣化により腐食が進み、応急処置を施しています。これを耐震性に優れた新たなものに改修し、併せて御神域の尊厳護持を図るべく三島市指定天然記念物でもある「三嶋大社の社叢」の景観整備工事を行い、三嶋大社を訪れる参拝者の皆様方に心地よい環境をつくるべく努めてまいります。
改修された玉垣(手前)とこれから改修される玉垣(奥)